森 瑤子

「恋愛関係」 森瑤子 著

<あらすじ>

女の心意気、プライド、粋、いさぎよさ、度量の広さ、ユーモアのセンス。オトコと真剣な遊びでオールラウンド戦うためには、どれも不可欠な要素。あの人を振り向かせたいと思う時、そして、いい出逢いをもつためにはどうしたらいいか。効果的な口説きの手段。楽しみとしての恋の駆け引き。スマートな攻撃法をサジェッションする恋愛のエッセイ。

 

<感想>

森遥子の小説&エッセイは本屋さんに行けばたくさんある・・・ 。

また題名がオシャレなのできっと女性なら1度は手にとったことがあるだろう。

もちろん20歳くらいの私も大人の恋にあこがれて森瑤子読んだ口だ。

そのころは、森瑤子さんの書くものをただオシャレとしか理解できず、

感情移入できないまま読み終わっており、それから手にとることもないまま今まで来てしまっていた。

この本と出会った時、私は丁度大きな壁とぶち当たっていた。

大恋愛(爆)で結婚し、子供を持ち子育てし、順調だった私の人生が

突然意味のない、先のないものに感じられたのだ。

私には何もない。

事実、その当時の私には仕事もなかった。

焦ったしかなり動揺した。

私はこれからの人生はこの環境を守るだけで生きていくのかと・・・思った。

森瑤子は言う。

結婚し子育てし34歳で小説を書き、「情事」で すばる文学賞を受賞し作家となったと。同じ思いを抱えた時期はあったんだと。

立ち読みでいいので、ちらっと「恋愛関係」に目を通して。

 

「情事」 森瑤子 著

<あらすじ>

33歳の夏、いつだって感動的だった夕暮れが、突然、美しさを失った。

もう私は若くない…。

外国人ジャーナリストとの情事にのめりこんでゆく女の内面を鮮やかに写す話題作。

 

<感想>

森瑶子の処女作品。 

彼女は「情事」をイチ主婦としてひとりの娘さんを育てながら、

34歳のときに書き上げた。 その小説<情事>は「すばる賞」受賞となる。

過去にここまでストレートに、<情事>を女性の方から描いた作品はなかったのではないかと思う。

30歳を超えて<若さ>を失いつつある自分を感じ、焦った私を、

この小説はちゃんと捕らえてくれる。

女性だけでなく 男性も感じている 男・女の歳を重ねることへの焦り。

そして性に対する疑問・焦燥感を描いている作品である。

 

小説「情事」の好きな文章

33歳を過ぎた頃から自分がもう若くないのだ、という考えに漠然と支配され始めていた 。

  (中略)

肉体から若さが、少しづつ剥ぎ取られていく、ということ以上に、

私を脅かしたのは、 精神の緊張を感を失うことだった。

そして、それを証明するような事件が起こり、私を打ちのめしたのは、

3年ほど前の ある夏の夕暮れ時、海辺でのことだった。

私は夕焼けの中にいた。赤紫色に指の先まで染めて。

そしてそのときあのいつだって、魂を揺すぶられるほど美しかった、

海に落ちていく夕日を眺めていて、

突然、私の中で熱い感動が失われていることの気づいた。  (中略)