羽田 圭介

「黒冷水」 羽田圭介 著

<あらすじ>

兄の部屋を偏執的に物色する弟と、執拗に監視・報復する兄。

出口を失い暴走する憎悪の感情「黒冷水」が生むものは……。

 

<感想>

飽きないで一気に読めた。

ネタバレではあるが、小説の真ん中ほどまでは「兄がヘンなのか弟がおかしいのか?」と興味をそそられ、どんどん読めたが謎の後輩・青野が登場し、今風の展開に転じはじめた辺りから、(ん~そう言う系統で来たか)と少しガッカリした。

また結局、恐ろしいところまで進む兄弟喧嘩の根元はなんであるのか?

自分の思っている自分像と、それぞれが相手を見る像とでは、どれほどのギャップがあったのか、ソレを書き込まない事がこの小説の魅力なのかも知れないが、読み手側としては、ただふたりともが執拗で、兄弟間と言う狭い世界の中だけで醜い争いをしているしか理解できず、不満が残った。

しかし、17歳。初の小説としてはよく構成されていると思う。

今の高校生にはパソコン・エロネタ・オタク・ゲーム・ヤク中毒は当たり前の話なんだろうか。

パソコン(用語がたくさん出てくる)エロネタ(過激である)オタク・・・それは現代だと受け取れても私はどうも「クスリ」ネタが好きではないので拒否反応が出てしまった。

次回、彼はどんなプロット(構成)でどのような文章を書くのだろう?

彼の今後を期待できる意味では価値ある1冊になるかも知れないが。