本多 孝好

「MISSING」 本多孝好 著

<あらすじ>

瞼を開けると、背後には飛び降りたはずの崖がそびえ立っていた。少年に助けられた私は、自分の過去を語り始める。「わたしは人を死なせました」。しかし、私は唐突にこの少年の眼差しを思い出した……。

彼は20年前に死んだはずの……。

「このミステリーがすごい!2000年版」第10位!

第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む処女短編集、待望の文庫化!

 

<感想>

短編集。

「このミステリーがすごい」に選ばれた作品らしいが、私にはミステリー性は感じられなかった。短編は5編。

『眠りの海』

海の投身自殺したが少年に助けられた教師が過去について語り始める。

人はこうして後悔し、それを抱えて生きていくのだろうな・・と。

『祈灯』

目の前で交通事故で喪ってしまった妹

。妹の過去を抱えながら、両親の関係を抱えながら

なんて人は生きていきにくいのかと思う。

『蝉の証』

「緑樹荘」という老人ホームでの話。

一人で死に向かうことは、とっくに覚悟できているのだが心残りがある老人の話。

懺悔を受け射られた老人は満足だっただろうと・・・。

『瑠璃』

突拍子もない行動をする、僕の従姉妹・ルコ。

ルコと僕の青春の話。

最後の最後に真相が明かされず、思わず「えぇ!」と叫んでしまった私。

『彼の棲む場所』

有名大学教授、メディアにも登場する有名人の彼。

これは何となく好きじゃなかったな。

失うこと、失ってしまったことを探し求めることがこの小説のテーマなのだろうか?

本多孝好氏の書く文章はどこか冷めていて、排他的で、それでいてもがいてる観じがする。