黒川 博行 (くろかわ ひろゆき)

「後妻業」 黒川博行 著

<あらすじ>

91才の耕造は妻に先立たれ、69才の小夜子を後妻に迎えていた。ある日耕造が倒れ、小夜子は結婚相談所の柏木と結託して早々に耕造の預金を引き出す。さらに公正証書遺言を盾に、遺産のほぼすべてを相続すると耕造の娘たちに宣言したー。

高齢の資産家男性を狙う<後妻業>を描き、世間を震撼させた超問題作。

 

<感想>

ようやく文庫本が発売されたので、早速読破。

この小説が出版された同じ時期、京都府向日市の連続不審死事件が明らかになった時期だったため(詳細はココを確認)「後妻業」と言う言葉がセンセーショナルに報道されたキッカケになった小説です。

 

読んでいると後妻業をやってる:小夜子が、頭の中で勝手に向日市の事件の容疑者:筧千佐子の顔に変換されてしまうほどに、あの事件と同じ展開に驚きました。

文章は大阪弁です。そして哀しいけどあまりキレイな大阪弁じゃありません。

ここまでコテコテの関西弁を私たちはあまり話していませんので、誤解なきように・・・。

 

黒川博行氏がこの小説を執筆されたのは、当然向日市の事件など知らない時期(2014年発表)で、当時のインタビューで黒川氏は、「数年前に知人に聴いた話を元に執筆した」と語っておられました。

 

今まで、配偶者に保険金をかけて殺害する「保険金殺害」の事件はいくつもありましたが、「後妻業」のやり口は、保険金じゃない、「公正証書遺言」を使う手口です。

これは、同棲している証拠があれば、妻(入籍していなくても)でなくても、死亡した本人が、司法書士等の立ち会いの元作成した公的書類である以上、効力は絶大だと言うもの。

ほほぉ~と言う感じ。

と、言うよりなんて男性はアホなんでしょう?

そんなに淋しいもんなんですねぇ・・・。

 

この小説を読むと、きっとまだ向日市の事件を起こした:千佐子容疑者のように、日本のどこかでやってるおばさんがいるような気がします。

世の中、空恐ろしい・・・