乙一 (おついち)

「ZOO」  乙一 著

<あらすじ>

第3回本格ミステリ大賞受賞第1作。

不思議な味の十編!

毎日届く腐敗していく恋人の死体の写真。

誰が何の為に・・?「ZOO」

僕の声には生物を意のままにできる魔力が宿る。

やがて僕は突拍子もない命令を思いつく「神の言葉」他。

 

<感想>

天才・乙一の最新作。全部で10編の短編集。

今回の乙一はミステリー・ファンタジー・切ない系と言うよりも、

乙一の作る独特の世界観系作品。こんな設定よく思いつくなぁ~と驚くばかり。

これから乙一がどこの世界へ到達するのか楽しみな作家だ

 

「さみしさの周波数」 乙一 著

<あらすじ>

「お前ら、いつか結婚するぜ」

そんな未来を予言されたのは小学生のころ。

それきり僕は彼女と眼を合わせることができなくなった。

しかし、やりたいことが見つからず、高校を出ても迷走するばかりの僕にとって、彼女を思う時間だけが灯火になった<未来予報>。ちょっとした金を盗むため、旅館の壁に穴を開けて手を入れた男は、とんでもないものを掴んでしまう<手を握る泥棒の物語>他2編を収録した短編の名手・乙一の傑作集。

 

<感想>

「乙一」と言う小説家を見つけてからずっとファンな私。

いい意味でも悪い意味でも「乙一」には裏切られて続けてきていると思う。

今回の短編集は「せつない小説の名手」として有名な乙一、「ファンタジーの名手」乙一、 「ホラーの名手」乙一すべての魅力が網羅されてる軽めの小説だと思う。

私的には「切ない小説」では「暗いところで待ち合わせ」を抜かす作品はまだない。

また、乙一の単行本の魅力の1つに彼自身が書く「あとがき」があると思う。

「あとがき」を読むだけでもおもしろい

 

「GOTH リストカット事件」 乙一 著

<あらすじ>

森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、まだ発見されていない被害者の死体を見物にいくことを決めた。話題騒然の若き天才乙一の初の単行本!他に、歩行者の手首を切り取り持ち去る「リストカット事件」など、死や殺人に心引かれる高校生の2人が出会う奇妙な6つの事件を描く。

 

<感想>

乙一著の前回紹介した小説「暗いところで待ち合わせ」とは趣の違う作品。若干23歳の乙一らしい「猟奇殺人鬼」にやたらに興味を持つ高校生男女の話。つまり「切なさ」とは無縁な話である。この作品にハマってるひとはハマってるらしい。私はっと言うと・・・・ドライに読み終えた感あり。

これも「乙一」なのねっと言う感じ。ただし、小説の手法としては斬新なんじゃないかと思う。

 

平面いぬ。」 乙一 著

<あらすじ>

天才・乙一が描く、新世代ファンタジーホラー傑作集。

「わたしは腕にいぬを飼っている」ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫り師に彫ってもらった犬の刺青。「ポッキー」と名付けたその刺青がある日突然、動きだし・・・。肌に棲む犬と少女の不思議な共同生活を描く表題作他、その目を見た者を、石に変えてしまうという魔物の伝承を巡る怪異憚「石ノ目」など、天才・乙一のファンタジーホラー四編を収録する傑作短編集。

 

<感想>

短編が四つ。

刺青が動き出す「平面いぬ」

人形が生命を持ってる「BLUE」

二人にしか見えない幻覚の友人の話「はじめ」

和風メデューサとの対決の話「石ノ目」

 

突飛な設定なのに、いつの間にか引き込まれている。

短編の中にも巧妙に謎が隠されていて、アッと驚く展開があったりする。

しかし、今回の作品はいつもよりは毒が少なめだし切なさも少なめ。

全体的に薄味な印象。

 

「暗いところで待ち合わせ」 乙一 著

<あらすじ>

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人に気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった──。

 

<感想>

ホラー系の小説とファンタジーの小説。どの乙一に1番最初に出会うかで印象がかなり違うだろう。私はこの「暗いところで・・」が出会いだった。

低い温度でぼぉ~っと温かい気持ちにさせてくれる小説家だと思う。

状況説明もわかりやすく、キズつきやすい気持ちを持てあます主人公の痛みが伝わるが、感情的でない淡々とした文章で描いた小説。